趣味工房 HIRO-G

< ST管ラジオ リストアその2 修復とテスト >



 レトロ真空管ラジオの修理の基本は、コンデンサ類の交換ですが、製造当時のペーパーコンデンサはフィルムコンデンサかセラミックコンデンサに交換しました。 電解コンデンサは新品に取り換えましたが、ブロックケミコンは品薄で、同じ組合わせ(20μF、10μF、3μF)のものはありませんでした。 パーツ類は、大阪日本橋のデジットで調達しました。 近くには、マルツ、千石もありますが、真空管用となるとほとんど手に入りません。 共立もありますが、立ち寄りませんでした。 

 ブロックケミコン(32μFx2)とマジックアイ(6S5G)はラジオ少年で良いものが比較的安く手に入りました。 その他、パーツも割と揃っていていましたので、ダイヤルの糸やラグ端子、CRセットも購入しました。 今回は部品の調達と本体やボックスの掃除に手間がかかりましたが、修理、交換状況は次の通りです。

@ 交換しましたコンデンサ類は写真1の通りで、主要なコンデンサはほとんど交換しました。 交換後のシャーシ内部が写真2ですが、ブロックケミコンはシャーシ上部の写真3の位置です。 値は多少、交換前と異なりますが、気にしなくて良いところがレトロ真空管ラジオですね。 抵抗類は問題がないようなので交換しませんでした。

A 配線類はコンデンサ交換に伴う配線の交換と、VRの入力部の配線をシールド線に交換しました(写真2)。 アンテナ線用の端子(写真2)を新たに取付ました。 スピーカの配線を交換するついでに、コネクタ(写真3)を付けました。
B シャーシは何と鉄製です。 表面処理はパーカー処理と思われますが、流石にチョコチョコ錆が出ていますので、磨いて錆止め塗料を塗りました。

  以上の作業を終了して、導通テストをして特に異常が無かったので、火入れ式をしました。 入手した時はハム音以外、全く音が出ませんでしたが、 電源を入れてしばらくして、バリコンを回して行くと同調が取れて素直に鳴りました。 マジックアイも良い感度で開閉(写真4)しました。  やはりコンデンサの問題でしたね。 取り換えたコンデンサを調べると分かりますが、あまり意味がないので調べていません。 因みに、入手時に付いていたマジックアイをテストしましたが全く光りませんでした。

 感度もそこそこ良好でVRのガリもありませんので、今後は、修復時にバリコンのトリーマを触っていますので、簡単なトラッキング調整をすれば良いと思いますが、、この際、一応IFTの調整もやってみたいと思います。 合わせてボックスの外装も出来るだけリニューアルしたいと思います。

 

写真1 交換したコンデンサ類




写真2 コンデンサ交換等作業終了後の状況




写真3 交換したブロックケミコン


RETRO No18


ST管ラジオ リストアその2 修復とテスト
2017年5月12日



写真4 テスト中の本体正面





写真5 テスト中の本体背面





写真6 テスト中の本体上部