趣味工房 HIRO-G




< 東大版TinyBASIC 移植のまとめ >


 東大版 2K TinyBASICの移植が一応終了しましたので、簡単にまとめを記載します。

 システム全体のメモリマップは、当初と変更はなく次の通りです。


@ 0000H番地〜02FFH番地: 基本モニタ

A 0300H番地〜03FFH番地: 入出力プログラム

B 0400H番地〜0BFFH番地: TinyBASIC インタプリタ

C 0C00H番地〜0DFFH番地: 基本モニタ用サブルーチン

  ・0C00〜0C25: CRTCパラメータのセット

   ( 3F 28 32 04 19 01 14 16 00 09 65 08 00 00 )

  ・0C30〜0C45: 画面クリア

  ・0C50〜0C6F: MONITOR文字の表示

  ・0D00〜0D2A: TinyBASIC起動


 尚、今回移植した@〜Cのプログラムの全ダンプリストは、       ダンプリスト3の通りで、キャラクタジェネレータ(CG)のダンプリストはダンプリスト4の通りです。


 トラ技ボードの設定(BASIC No18No19参照)は、CRTCのクロック8MHz、強制ブランキング゙SWはOFF、VRAM領域はF000Hです。

 起動方法は前回説明の通りで、電源を入れるとND80ZVのTK80互換モニタを改造した基本モニタが立上り、画面にMONITORと表示されます。 この時、ND80ZVの7セグLEDは「00000000」となっており、操作方法はND80ZVのTK80互換モニタと同じです。 この段階では、ND80ZVのキーボードからマシン語を入力してプログラムを作成すれば、画面を使ったゲームが作成できます。

 続いて、インタプリタへ入るために、ND80ZVのキーでDOO番地をセットし「RUN」キーを押すと、7セグLEDは消灯し、東大版2K TinyBASICのインタプリタが作動します。

 全体の機能をテストするために、写真1のようにI/O誌1997年12月号P92に記載されている、簡単なBASICゲーム「数当てゲーム」を試してみました。 現状では、エンコーダ付きPC8001改造フルキーボードが、カナモードに未対応のため、写真2のように一部変更しています。

 写真3がプログラムの入力を終え、LISTコマンドで確認している写真です。 このゲームはリストを見れば分かりますように、コンピュータが、乱数生成コマンドで100までの数字をランダムにセットし、人間は入力した数字に対して大きい(LARGE)か、小さい(SMALL)かのヒントを頼りに、6回までのトライでその数字を当てるゲームです。

 当たらなければ、写真4のようにコンピュータが正解の数字(写真4の場合は「 6 」)を教えてくれます。 当たれば、写真5のように「CORRECT」と表示されます。 写真5の場合は6回目のトライで正解した例です。 いずれの場合も、続いて次の数字がセットされます。


 トラ技ボード + エンコーダ付きPC8001改造フルキーボード用に移植した東大版2K TinyBASICが、正常に作動することから、ハード的には問題がないことになり、正規のトラ技ボード用基本モニタのINPUT命令が機能しない問題は、改造作業中のプログラムのミスによるものと思われますので、一からじっくり調査します。


 文字表示のアンダーラインの問題は、良く見ますと本来のアンダーラインではなく、各文字のラスターアドレス「0」番地の水平部のドットが反映していることが分かりました。 今まではほぼ資料の設定どおりで問題がなかったので、CRTCのパラメータ設定方法については、深く調べていませんでした。 が、今回は資料と異なる使い方をしていますので、どうもパラメータの設定が間違っているのではないかと思います。 で、CRTCの詳細を把握するために資料を見直していますが、理論に沿ってパラメータを設定しようとすれば、以外と難しいことが分かりました。 

 先ず、設定方法に出てくる用語がほとんど理解できません。 手持ちの資料を深読みすればそこそこ理解できますが、当たり前ですが、初心者に分かるように、その用語や算出式の使い方等が、具体的かつ詳細に書かれている資料はありません。 

 で、また例の如く、いろいろ資料を調査しました結果、トラ技の目次データベースに1978年1月号のP188〜200に「一つでCRTディスプレイを構成できる 最新CRTCの実験」という記事があるのを発見し、ヤフオクで出品物を調べた結果、ありました。最終日競争者なしで落札しました。 この資料を合わせ、現在、関係資料は5冊となりましたので、関係資料の内容を補完しながら理論的なパラメータの設定を調査中です。



 

写真1 「数当てゲーム」プログラムリスト




写真2 実際の入力プログラムリスト




 < 今後の予定 >


@ 東大版TinyBASIC 移植のまとめ: 一応終了
A 表示文字のアンダーライン不具合調査:
B トラ技基本モニタ&BASICの構造調査: 調査中

C トラ技基本モニタ&BASICの不具合解消:


BASIC No29


BASICマシン復元進捗  ・東大版TinyBASIC 移植のまとめ
2014年7月24日


写真3 「数当てゲーム」のテスト状況



写真4 数当て失敗画面



写真5  数当て成功画面